少し前まで、ブログの読者を増やす王道はGoogle検索で上位を取ることでした。ところが最近は、検索結果の上にAIが要約を出すようになり、わざわざ記事をクリックしなくても答えが分かる場面が増えてきました。
検索からの流入だけに頼っていると、これからは少しずつ苦しくなるかもしれません。そこで以前、検索に頼らない経路としてXへの自動投稿を仕組み化しました(その土台は前回の記事で解説しています)。
ただ、土台ができると、今度は別の悩みが出てきました。私が実際にぶつかったのは、次のような点です。
- 投稿する記事の順番を決め打ちにすると、世の中の話題とズレた発信になってしまう
- かといって毎朝ニュースを見て手で選ぶのは、結局続かない
結論から言うと、「何を投稿するか」を選ぶ役割をClaude Code(AI)に任せ、実際の投稿は前回作った仕組みに任せる、という分業にしました。Claude Codeが毎朝その日のニュースを読み、話題に合った自分の記事を1本選んで、投稿文まで用意します。
なぜ分業にしたのか。それは、投稿の「タイミングを守る」のは機械が得意で、「いまの話題に合わせて選ぶ」のは判断が要る作業だからです。判断が要る部分だけをAIに任せれば、人は毎朝ゼロから考えずに済みます。本記事では、その仕組みを実際の例も交えて確認していきます。
なお、この記事はコードを書けない方でも全体像が掴めるよう、「誰が・いつ・何をするか」に絞って解説します。特定のツールやサービスを「これを使えば稼げる」とおすすめする趣旨ではありません。
この記事でわかること
- 検索流入が減りSNSが重要になってきた、という時代背景
- なぜ「投稿内容を選ぶ」作業だけをAIに任せたのか
- 毎朝Claude Codeがやっている4つのステップ(ニュース収集→話題選定→記事選び→投稿文づくり)
- AIが準備できなかった朝でも投稿が途切れない「二段構え」の設計
- ニュースに連動して記事が選ばれた、実際の一例
背景:検索流入が減り、SNSが重要になった
まず前提として、ブログの読者をどこから連れてくるか、という地図が少しずつ変わってきています。これまで主役だったGoogle検索の比重を下げ、SNS(X)からの流入を意識する必要が出てきました。
理由は、検索結果の見え方が変わってきたことと、検索以外の経路を持っておく方が安全だからです。順に見ていきます。
検索結果がAIの回答に変わり、クリックが減ってきた
近ごろの検索では、検索結果の一番上にAIが要約した回答が表示される場面が増えてきました。利用者は、その要約を読んだだけで満足し、個別の記事までクリックしないことも多くなったとされます。
書き手の側から見ると、これは「検索で上位に出ても、以前ほどクリックされない」可能性があるということです。検索順位だけを追いかける戦い方は、これまでより効きにくくなってきた、と捉えておくのが無難です。
もちろん、検索が無価値になったわけではありません。ただ、検索"だけ"に依存していると、検索の仕組みが変わったときに流入が一気に減ってしまうリスクがあります。だからこそ、別の経路を用意しておく意味があります。
代わりに伸びているのがSNS(X)からの流入
検索に依存しない経路として、現実的なのがX(旧Twitter)です。投資・資産形成の話題はXでも活発にやり取りされており、記事の要点を発信すれば、検索を経由しない人にも記事を届けられます。
ここで大事な気づきがあります。ブログ運営は「書く」工程だけでは完結しない、ということです。良い記事を書いても、それを「届ける」工程がなければ読まれません。Xへの発信は、この「届ける」工程にあたります。
つまり、これからのブログ運営は「書く」と「届ける」の二つの工程で考える必要があります。前回作った自動投稿の土台は「届ける」工程の自動化でした。今回の話は、その届ける中身を賢くする工程です。

なぜ「投稿内容を選ぶ」をAIに任せたのか
結論から言うと、毎日の投稿を続けるうえで一番の負担になるのが「何を投稿するか決めること」で、しかもそれは"いまの話題"に合わせる判断が要るからです。この判断こそ、AIに任せたい部分でした。
理由は二つあります。手作業の負担と、決め打ちの限界です。
人が毎日投稿するのは手間
土台となる自動投稿の仕組みは前回作りました。ですが、その仕組みに「何を流すか」を供給するのは、結局のところ人の作業です。
具体的には、1日に複数回投稿するとなると、毎回これだけの作業が発生します。
- どの記事を紹介するか選ぶ
- 短い投稿文を考える
- 記事へのリンクを貼る
1回なら大した手間ではありません。ですが、これを毎日、しかも複数回となると話が変わります。地味ではあるものの、続けるうちに確実に重荷になる作業です。最初の数日は頑張れても、忙しい日が続くと止まってしまう——これは多くの人が経験する挫折ポイントだと思います。
投稿順を決め打ちすると「今の話題」から取り残される
「では手間を消すために、投稿する記事の順番をあらかじめ決めておけばいい」と考えるかもしれません。これは半分正解で、半分は問題が残ります。
土台の仕組みだけだと、用意した記事を決めた順番(ローテーション)で機械的に出すことになります。これは手間が消える代わりに、世の中の話題と無関係に投稿が流れる、という弱点があります。
世の中の関心は日々動きます。金利のニュースが出た日もあれば、新NISAの話で持ちきりの日もあります。そんな日に、たまたまローテーションで全く関係ない記事が出てしまうと、せっかくの注目を取りこぼします。
逆に、その日の話題に合った記事を出せれば、いま関心を持っている人に届きやすくなります。この「その日の話題に合わせて選ぶ」という判断こそ、人ではなくAIに任せたい部分でした。

仕組みの全体像:誰が・いつ・何をするか
ここが本記事の核です。先に結論を言うと、Claude Codeは「選ぶ」だけで、実際に投稿するのは前回作った仕組みです。役割をきっちり分けているのがポイントです。

なぜ分けるのか。それは「いまの話題に合わせて選ぶ判断」と「決まった時刻に確実に投稿する作業」は、得意な担当者が違うからです。前者は判断が要るのでAI、後者は正確さが要るので機械、という役割分担です。
具体的な流れは次の通りです。
- 前夜22:00と翌朝6:30(Claude Codeの担当):その時点の経済・金融ニュースを集め、関連する自分の記事を1本選び、投稿文を作って「準備メモ」に書き出します。朝6:30に動いたときは、前夜22:00の内容をより新しい話題で上書きします(新しい話題を優先するためです)。
- 朝7:05(前回作った仕組みの担当):定時の自動投稿が動き、まず「準備メモ」を最優先で確認します。中身があればそれをXへ投稿し、投稿後はメモを空にします。
ここで誤解しやすいのが、「Claude CodeがXに投稿しているのでは?」という点です。そうではありません。Claude Codeは投稿する記事と文章を準備メモに用意するだけで、実際にXへ送り出すのは前回作った定時投稿の仕組み(Cloudflare Workersのタイマーが起動するGitHub Actions)です。
「賢く選ぶ係(Claude Code)」と「確実に届ける係(前回の仕組み)」が、準備メモというバトンでつながっている——この絵をイメージしてもらえれば十分です。土台の仕組みそのものの作り方は前回の記事で解説しているので、ここでは深入りしません。
Claude Codeが毎朝やっている4ステップ
Claude Codeが担当する「選ぶ」作業は、4つのステップに分かれています。順番に見ると、人が頭の中でやっている作業をそのまま分担しているだけだと分かります。
① ニュース収集
まず、その時点の経済・金融まわりのニュースを集めます。いま世の中で何が注目されているかを把握する、最初の情報インプットの工程です。
② 話題選定(主軸+重複回避)
集めたニュースの中から、投稿の軸にする話題を一つ選びます。選び方には二つのルールを持たせています。
- 主軸(強めのルール):いま注目が高まっている話題を優先する
- 重複回避(弱めのルール):前日と同じテーマは、なるべく避ける
なぜ重複回避を入れたかというと、話題は1〜2日では大きく変わらないことが多く、放っておくと同じテーマばかり続いてしまうからです。このさじ加減は次の章でもう少し説明します。
③ 記事マッチング
選んだ話題に最も関連する自分の記事を、1本だけ選びます。たとえば金利の話題なら住宅ローン関連、税制の話題なら制度解説の記事、という具合に、話題と記事をつなぎます。
ここで紹介する記事はあくまで自分が過去に書いた記事です。話題に合う記事が手元にないこともあり、その場合は無理にこじつけません。
④ 投稿文生成
最後に、選んだ話題と記事をつなぐ投稿文を作ります。投稿文には、話題への一言・記事へのリンク・サムネイル(記事のアイキャッチ画像)が含まれます。
この4ステップが終わると、結果が「準備メモ」に書き出されます。あとは翌朝、前回作った仕組みがそれを拾って投稿するだけです。
話題の選び方:「主軸」と「重複回避」のさじ加減
話題選定で二段ルールにした理由を、もう少しだけ掘り下げます。結論から言うと、鮮度(いまの話題に乗る)と多様性(同じ話ばかりにしない)のバランスを取るためです。
なぜ片方だけではダメなのか。理由はこうです。
「いま注目の話題を選ぶ」だけにすると、話題が1〜2日では大きく変わらない性質上、同じテーマが何日も続いてしまうことがあります。読み手からすると「また同じ話か」となり、飽きられやすくなります。
かといって「毎回違うテーマにする」を最優先にすると、無理に話題を変えることになり、いま注目されている話を外してしまいます。これでは鮮度が落ちます。
そこで、主軸は「注目の話題」を強めに、重複回避は「前日と違うテーマ」を弱めに効かせる二段ルールにしました。基本はいまの話題に乗りつつ、同じテーマが続きすぎないよう軽く調整する、というイメージです。強い制約と弱い制約を組み合わせることで、鮮度と多様性の両方を、ほどよく満たせるようにしています。

準備できなかった朝はどうなる?(フォールバック設計)
ここは正直にお伝えしておくべき、大事な前提です。結論から言うと、AIが準備できなかった朝でも、投稿は途切れません。そのための二段構えを用意しています。
なぜこの設計が必要かというと、Claude Codeはアプリを起動している間しか動かないからです。私の場合、パソコンを起動している時間が限られていて、夜や朝に開いていないことも多いため、準備のステップが走らない朝があります。つまり「毎朝必ずAIが準備してくれる」とは限りません。
そこで、こういう仕組みにしました。
- 準備メモに中身があれば:それを最優先で投稿する(=その日の話題に合った投稿)
- 準備メモが空なら:通常のおすすめローテーションが代打で投稿する(=あらかじめ用意した定番記事)
この設計のおかげで、AIが動かなかった朝でも投稿に穴があきません。「AIに丸投げ」ではなく、「あれば優先・なければ堅実な定番」の二段構えにしているのがポイントです。
なお、この「準備できない朝がある」という制約自体を無くす方法もあります。
- パソコン(Claude Code)を常時起動しておく
- Claude CodeのAPI(従量課金)を使い、パソコンの起動状況に左右されず準備を動かす
私はいまコストと手間のバランスから二段構えで運用していますが、確実性を優先するならこうした選択肢もあります。
自動化というと「全部AI任せ」を思い浮かべがちですが、現実にはAIが動かない時間帯もあります。そこを正直に見込んで、動かなかったときの代打を用意しておく——この保険があるかどうかで、仕組みの安定感は大きく変わります。
実際にニュース連動で投稿された例
抽象的な話が続いたので、実際に起きた一例を紹介します。話題から記事が選ばれる流れが、具体的にイメージできるはずです。
ある日、日本銀行が金融政策決定会合で政策金利の引き上げを決めた、というニュースが大きく報じられました(金利水準などの具体的な数値は、報道や日銀の公表資料でご確認ください)。
金利が動くと、変動金利型の住宅ローンや借り換えへの関心が高まります。実際、この話題が出たことで関連する検索や話題が増えた、と感じました。
そこでClaude Codeは、この話題に最も関連する自分の記事として「住宅ローン借換えシミュレーション」の記事を選び、翌朝のおすすめに設定しました。投稿文の雰囲気としては、次のようなイメージです。
日銀の利上げで変動金利が気になる方へ。借り換えで返済がどう変わるか、シミュレーションで試せる記事をまとめました。
ニュース(金利上昇)→読者の関心(住宅ローン・借り換え)→自分の記事(借換えシミュレーション)という順で、自然につながっているのが分かると思います。これが「話題に連動して記事を選ぶ」ということです。

やってみて感じたこと・注意点
最後に、実際に運用してみての率直な感想と注意点をまとめます。結論としては、やる価値はあったが「丸投げ」では成り立たない、というのが実感です。
良かった点は次の二つです。
- 毎朝「今日は何を出そう」と悩むストレスが消えた
- 投稿が、その日の話題に乗りやすくなった
一方で、注意しておくべき点もあります。
- AIの選定は完璧ではなく、たまに話題と記事のマッチが的外れなこともある
- Claude Codeはアプリ起動中しか動かないため、準備できない朝もある
- そもそも、ぴったり合う話題が無い日もある
これらを踏まえて感じたコツは、「丸投げ」ではなく「判断の枠(ルール)を人が決めて、その枠の中でAIに回させる」という関わり方です。今回でいえば、「いまの話題を主軸に、前日と被らないように選ぶ」というルールは人が決め、その範囲でAIに判断させています。
AIに任せる、というと全部おまかせのイメージがありますが、実際にうまくいったのは、人が決めたルールの上でAIに動いてもらう形でした。判断の枠を人が設計するからこそ、AIの出力が安定し、的外れも減らせます。
まとめ
- 役割分担:「何を投稿するか選ぶ」のはClaude Code、「実際に投稿する」のは前回作った仕組み。準備メモというバトンでつないでいる
- AIの4ステップ:ニュース収集→話題選定(主軸+重複回避)→記事選び→投稿文づくり
- 二段ルール:いまの話題を主軸に、前日と被らないよう軽く調整して、鮮度と多様性を両立させる
- フォールバック:準備があればそれを優先、なければ定番のローテーションが代打。だから投稿が途切れない
- コツ:丸投げではなく、判断の枠を人が決めてAIに回させる
検索だけに頼る時代から、SNSでも「届ける」工程を持つ時代へ。その中身を賢くする一例として、今回の仕組みを紹介しました。
まずは土台から始めるのがおすすめです。定時にXへ自動投稿する仕組みそのものの作り方は、前回の記事で解説しています。そちらができていれば、今回の「中身を賢くする」工程は後から足せます。
何かの参考になれば幸いです。
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参考文献・出典
- X API(公式ドキュメント) — Xへの投稿を外部から行うための公式仕様
- Claude Code(Anthropic 公式) — 本記事で「選ぶ役割」を任せたAIツールの公式ドキュメント
- 日本銀行 金融政策(公式サイト) — 本記事で触れた政策金利・金融政策決定会合に関する一次情報